2/20(日) Yahoo!ニュース転載
急拡大する暗号資産(仮想通貨)の取引で、所得の申告漏れや無申告が相次いでいる。
国税庁は5年前に取引の利益を「雑所得」として確定申告の対象とし、取り締まりを強化。
SNS上では「暗号資産同士の交換は非課税」といった誤った情報も出回り、認識不足から巨額の追徴課税を求められるケースもある。
16日からは2021年分の確定申告が始まり、国税庁は適切な納税の周知に力を入れる。
暗号資産は円やドルといった通貨と異なり、「仮想のお金」だ。
交換業者が運営する取引所に登録して口座を開設、現金で購入すれば、保有できる。
買い物や送金に使用でき、国内外で1万種類以上あるとされる。ビットコインやリップルなどがよく知られている。
日本暗号資産取引業協会(東京)によると、国内の暗号資産の取引総額は16年度は約3兆5000億円だったが、20年度は33倍の約118兆円に達した。
国内の取引所の口座開設数は20年度末で約430万件で、利用者の約8割は20~40歳代という。
課税ルールは定まっていなかったが、取引の活発化を受け、国税庁は17年に取引の利益は雑所得にあたるとの見解を示した。
暗号資産から円への換金だけではなく、別の暗号資産への交換や、商品・サービスの購入も課税の対象とされた。
1年間の取引の収支で一定以上の所得が生じた場合には納税する必要がある。
SNSに「非課税」誤情報も
「暗号資産同士の交換は非課税」「海外取引は課税されない」……。
SNS上ではこうした誤った情報が出回っている。
暗号資産は通貨と比べて乱高下が激しく、値上がりでのもうけを期待して、暗号資産同士を交換する取引形態が一般的だ。
この場合、手元に現金がないため、課税の認識を持ちにくいとの事情があるが、国税庁は「暗号資産で別の暗号資産を購入したことになり、課税対象だ」と説明。現金での納税を求めている。
確定申告は個人が取引内容を基に行う必要がある。
国内の取引所については18年から、利用者が年間の取引内容をまとめた報告書を入手できる制度が始まった。
国税庁によると、海外取引も課税対象だが、海外には一定期間の経過で取引履歴が非公開となる取引所もあり、取引内容を個人で記録しておくよう呼びかける。
国税庁はホームページで報告書などから申告額を自動で出す表計算を公開するなどしており、担当者は「不明点があれば、税務署などに相談してほしい」としている。
取り締まり強化
国税庁は19年に全国の国税局に暗号資産などを専門とするプロジェクトチームを設置するなど、悪質な税逃れへの取り締まりを強化。
20年の国税通則法改正で、国内の取引所から取引履歴に加え、顧客の氏名や住所の照会が可能となり、取引実態を追いやすくなった。
20年3月には金沢国税局が、取引で得た所得を隠し、約7700万円を脱税したとして石川県の会社役員(57)を所得税法違反容疑で告発。
金沢地裁で懲役1年、執行猶予3年、罰金1800万円の有罪判決が言い渡された。
国税OBで暗号資産に詳しい坂本新税理士(東京)によると、最近はコロナ下で在宅時間が増え、投資目的で気軽に暗号資産の取引を始める人が目立ち、確定申告に不慣れな会社員からの相談が増加している。
坂本税理士は「納税の時に価値が大幅に減っていて、現金が用意できず納税に困ることも少なくない。暗号資産取引の特徴を理解しておく必要がある」と話す。
◆雑所得=給与所得や不動産所得、配当所得などにあたらない所得。給与所得者が副業として行った講演料や原稿料、ネットオークションの利益などが該当する。
20万円を超える場合は確定申告が必要で、所得が高いほど税率は高くなり、最大55%が課税される。
「正しい知識持っていれば…」
課税額を知らせる文書を手にする男性。納税のめどは立っていない(東京都内で)
2億円以上の追徴課税を受けた東京都内の40歳代の男性会社員が取材に応じた。
男性は自宅を手放さないといけない可能性もあるといい、「正しい知識を持っておかないといけなかった」と悔やんだ。
男性は2016年、ビットコインを購入し、他の暗号資産にも取引を広げた。
17年末には1か月弱で保有するリップルの価値が約10倍に高騰し、資産価値は4億円以上に膨れあがった。
一部は現金にしたが、大半は別の暗号資産に交換した。
交換分の申告が必要とは思わず、現金化した分を除いて確定申告しなかったが、昨年9月、税務署から申告漏れの指摘を受け、過少申告加算税を含む追徴税額は2億円以上になった。
男性は妻と幼い子どもの3人家族で、会社員としての年収は900万円程度。同12月に修正申告したが、保有する暗号資産の価値が大きく落ちていたため、現金化しても全く足りず、税務署に納税の猶予を申請中だ。
男性は「働いて納められる金額ではなく、家族に申し訳ない」と話した。
日経新聞、2021年10月3日の記事で
暗号資産(仮想通貨)への税務調査の記事が
掲載されていましたので、
転載します。
暗号資産(仮想通貨)を巡る税務処理に、
国税当局が監視を強めている。
関東地方などの個人に大規模な税務調査があり、
数十人が計約14億円の申告漏れを指摘されていたことが、
関係者への取材で分かった。
企業や個人の仮想通貨投資が盛んになり、
法的にグレーとみられる「節税策」も広がっている。
国税当局は今後も重点的に調査や、
適切な税務処理の情報発信に力を入れる。
関係者によると、
一斉調査は2020~21年ごろに関東信越国税局が実施。
埼玉県や栃木県、群馬県、新潟県や長野県などに住み、
主に仮想通貨エイダ(ADA)の売買で利益を得た個人が対象となったようだ。
数十人で申告漏れなどが見つかり、
過少申告加算税などを含めた追徴税額は
計約6億7千万円だった。
エイダをビットコインなどの別の仮想通貨に換えて利益を得たにもかかわらず、
申告をしていなかった例が多かった。
申告漏れが数千万円に及ぶ例や、
仮装・隠蔽行為があったとして
重加算税が課された例もあったもようだ。
国税当局は18年ごろから、
仮想通貨関連の税務調査を重点施策と位置づけている。
これまで東京国税局なども、
大規模な税務調査を手掛けてきた。
日本暗号資産取引業協会によると、
18年9月に日本国内で8千億円強だった仮想通貨の取引額(現物取引)は
21年6月時点で2兆円超、
5月は5兆円を超えていた。
個人が資産形成の手段とするだけでなく、
企業が投資活動として保有する例も増えている。
評価損益計算サービスを提供するクリプタクト(東京・新宿)の調査では、
国内の上場会社のうち少なくとも16社が
仮想通貨を保有し、評価・売却損益を計上していた。
非上場企業も含めると、
さらに多くが仮想通貨投資をしているとみられる。
一方で法的にグレーとみられる「節税策」も広まった。
エイダに関する複数の税務相談を受けた税理士は
「18年ごろに節税セミナーなどが開かれ『仮想通貨から仮想通貨への交換は非課税』といった誤った情報が流れた。
デマを信じて節税策を行った人もいたようだ」と話す。
ネット上には「仮想通貨の利益を圧縮する裏技を紹介」など、
節税策の紹介をうたうサイトが複数ある。
東京都内に事務所を構えるある業者の代表は
「海外の法令や金融取引を組みあわせれば節税は可能」と主張。
国内に数百人の顧客を抱えるという。
「独自のノウハウによる節税策を提供して手数料をもらうが、
(通常の税務処理の場合に支払う)日本の税率より低いので顧客も喜ぶ」と話す。
国税庁などは、正確な情報の発信に努める。
17年には、
仮想通貨の取引で生じる利益が
「雑所得」にあたるとの見解を公表した。
仮想通貨を別の仮想通貨と交換した場合も、
課税対象になると注意喚起した。
個人の課税処理に加え
「企業が利用料を対価として暗号資産を貸し付けたときは、消費税の課税対象となる」
などと呼びかける。
「公式の情報はあるが、
暗号資産に関する税の専門家は少なく、
SNS(交流サイト)などで不正確な情報が広がっている。
『出国すれば税金はかからない』などのデマがたえない」という。
やはり、
暗号資産(仮想通貨)の税務調査が始まりましたね。
緊急事態宣言も解除され
国税庁は
税務調査をしたくて
うずうずしているようです。
今のうちにと
税務調査の連絡や問い合わせが
増え始めています。
暗号資産(仮想通貨)の税務調査が
本格化するのは
今年の9月からだと予想していました。
おそらくこの1年で
かなりの申告漏れが見つかるでしょう。
暗号資産(仮想通貨)は
今年も大きく乱高下しています。
申告が必要な方は
適切な申告・納税を心掛けましょう。
国税庁は6月17日に 令和2年度の査察の概要を公表しました。 2年度の告発の可否を判断した 処理件数は113件(前年度165件)のうち、 告発件数は83件(前年度116件) と減少したが、 告発率は73.5%(前年度70.3%) と増加しました。 そんな中で 令和2年3月に 全国初の告発となった 暗号資産事案に下された判決は、 個人がビットコイン等の取引で得た 多額の利益を 申告から除外し 所得税約7700万円を 免れたとして、 所得税法違反の罪で 懲役1年(執行猶予3年)及び罰金1800万でした。 以前のメルマガで ビットコインを含めた 暗号資産の税務調査のピークは 2022年か2023年と 予測しました。 所得税約7700万円ということは 所得約1億7000万円 この半年で 1ビットで600万円ほど 変動しています。 今年は 換金またはほかの通貨の売買などを した人が かなりいるはずです。 第一弾の見せしめとして 所得約1億7000万円は いわゆる億り人ですが、 脱税をして 億単位の追徴課税と 刑務所への送り人にならないように 来年の確定申告では しっかりと申告した方が 良いですよ。 ご相談、ご不安なことが ありましたら、 お気軽に 中島税理士・行政書士事務所まで お問い合わせください。 セカンドオピニオンとしても 税務調査対策としても ご提案を致しております。
Q昨年亡くなった父は、生前にビットコインの取引を行っていました。亡くなった際に保有していたビットコインを私が相続し、今年に入ってからすべてを売却しました。相続により取得した資産を譲渡した場合に特例があると聞きましたが、ビットコインの売却でも適用されますか?
Aビットコインの譲渡は、事業とされるものを除き、雑所得に該当します。これに対して、相続によって取得した資産の譲渡に適用される取得費加算の特例は譲渡所得における特例となります。したがって、ご質問のビットコインの売却においては、取得参加算の特例は適用できないものと思われます。
Q過日、父が亡くなったことにより相続が発生し、相続財産には不動産や株式のほか、ビットコインも含まれていました。相続税には物納の制度があると聞いていますが、父から相続したビットコインにより相続税を納付することはできますか?
A相続税の物納は、申請手続きが必要であり、税務署長による許可がされたものに限られるため、ビットコインによる物納は認められないと考えます。
Q今年亡くなった母は新しい物件で、亡くなる1年前よりビットコインの取引を行っていました。亡くなった際に保有していたビットコインを私が相続することになったため、相続税の申告書にビットコインを記載して申告する予定です。この場合の添付資料として、どのような資料が必要でしょうか?
Aビットコインを相続した場合に相続税の申告の際に添付する資料について、執筆時点では明確になっておりません。現金・貯蓄金や有価証券の際に添付する資料を参考に取引履歴などを添付することになると思われます。
Q今年亡くなった父は、亡くなる半年前に海外に移住し現地で人生を終えました。日本にいる間から国内の交換所でビットコインの取引を始め、移住後は海外の交換所でも取引をしていたようです。
日本の相続税を計算するには国内財産と国外財産を分ける必要があると聞きましたが、どのような基準で判断すればよいでしょうか?ちなみに私も仕事の関係で、2年前より海外に移住し暮らしております。
Aその財産を有する者の住所地で判断することになると思われます。
Q今年亡くなった父は、なくなる1年前からビットコインの取引を行っていました。今年に入ってからも頻繁に売買をしていたと母から聞いていますが、残っているビットコインの相続時の評価額はどのように計算しますか?
A亡くなった日の「ビットコインの数量」とビットコイン取引所の「取引価格」を基に計算することになると思われます。
Q日本の居住者である私はビットコインの売買を行うにあたり、海外のビットコイン取引所を利用しています。年末において、多額の海外財産を保有している場合、所得税の確定申告書に添付する書類として、国外財務調書(合計表)、財産債務調書(合計表)があると知りました。
私が年末にビットコインを200BTC保有している場合、これらの書類の提出が必要となるのか、また、提出が必要な場合はどのように記載するのか教えてください。
A居住者が国外で保有するビットコインは、国外財産調書(合計表)の対象とはなりませんが、財産債務調書(合計表)の対象となります。
なお、国外財産調書(合計表)の財産の所在地の判定は、相続税法第10条の規定によることとされています。
Qビットコイン売買により生計を立てている個人事業者です。ビットコイン売買により得たノウハウを生かし、ビットコインの「取引所」や「交換所」の業務まで、事業を拡大したいと考えています。個人事業者でも仮想通貨交換所を行うことはできますか?
A個人事業者は、「仮想通貨交換業者」として金融庁・財務局の登録を受けることができないため、仮想通貨交換所を行うことができません。
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