個人と法人ではどちらで仮想通貨の取り引きを行うのが良い?【仮想通貨】

個人と法人ではどちらで仮想通貨の取り引きを行うのが良い?【仮想通貨】

2018-04-03

Q32 個人と法人ではどちらで仮想通貨の取り引きを行うのが良いですか?

A32 一般的には、「法人成り」という言葉が示すように、個人事業主で事業を始め、事業が安定した後に法人化を行います。
しかし仮想通貨取り引きの場合、マイニング等を大規模に行うような場合を除けば、実施する作業の内容は個人とほとんどかわらず、法人でもその代表がひとりで取り引きを行うことになるでしょう。
そこで、最初から法人で取り引きを行うという選択肢もありえます。

この場合、個人事業主などが代表取締役1名、株主1名の株式会社などを設立します。
いわゆる一人会社を設立します。

法人化により適用される税法が法人税法になるため、最高税率は個人の55.945%(所得税45%、復興特別所得税0.945%、住民税10%)ではなく、平成29年度実効税率33.8%(外形標準課税非適用法人、東京都の場合)となります。

1,000万円の利益があった場合と1億円の利益があった場合で比較したのが次です。

[個人の場合](他の所得および基礎控除以外の所得控除は考慮しないものとします)
仮想通貨で1,000万円の利益があった場合
1,000万円-38万円(基礎控除)=962万円(所得税課税所得)
962万円×33%-1,536千円=1,638,600円(所得税A)
1,638,600円×2.1%=34,400円(復興特別所得税B)
1,000万円-33万円(基礎控除)=967万円(住民税課税所得)
967万円×10%=967,000円(住民税C)
合計(A+B+C)=2,640,000円(税負担率:26.4%)

仮想通貨利益1億円の利益があった場合
1億円-38万円(基礎控除)=9,962万円(所得税課税所得)
9,962万円×45%-4,796千円=40,033,000円(所得税A)
40,033千円×2.1%=840,600円(復興特別所得税B)
1億円-33万円(基礎控除)=9,967万円(住民税課税所得)
9,967万円×10%=9,967,000円(住民税C)
合計(A+B+C)=50,840,600円(税負担率:50.84%)

[法人の場合](平成29年4月1日開始事業年度、資本金100万円と仮定。軽減税率は考慮せず標準税率を用いるものとします)
仮想通貨で1,000万円の利益があった場合
1,000万円(課税所得)×23.4%=2,340,000円(法人税)
234万円×4.4%=102,900円(地方法人税)
234万円×12.9%=301,800円(住民税)
1,000万円×6.7%=670,000円(事業税)
67万円×43.2%=289,400円(地方法人特別税)
住民税の均等割:別途年額70,000円
合計:3,774,100円(税負担率:37.74%)

仮想通貨で1億円の利益があった場合
1億円(課税所得)×23.4%=23,400,000円(法人税)
2,340万円×4.4%=1,029,600円(地方法人税)
2,340万円×12.9%=3,018,600円(住民税)
1億円×6.7%=6,700,000円(事業税)
670万円×43.2%=2,894,400円(地方法人特別税)
住民税の均等割:別途年額70,000円
合計:37,112,600円(税負担率:37.11%)

単純に税金面だけをみれば、利益が大きくなった場合には法人化することによる節税効果は一見大きく見えます。
しかしながら、法人の利益は法人のものであり、一人会社といえども、そこにある金銭を自由に使うことはできません。
そのためには、給与や役員報酬という形で、代表者個人に支払うこととなり、そこでは別途所得税が生じます。
その他法人の設立、決算業務、解散・清算などにかかわる費用も念頭においておく必要もあります。
法人化する場合には、こういったこともシミュレーションしたうえで行うべきではないかと思います。

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